夏休みも中盤に

8月7日は暦の上で立秋。確かに、いつの間にか我が家の窓の外も赤とんぼの数が増えてきましたし、ツクツクホウシの鳴き声を耳にするようになりました。少しずつ秋も近づいてきているのでしょうが、それにしてもこの暑さには参ってしまいます。私の娘も夏休みに入ったにもかかわらず、課外授業やクラブ活動で変わらずに登校していましたが、お盆を前にようやく「夏休み」に入れたようです。

会社のほうでも何らかの障がいのある子どもが通う特別支援学校の送迎バス介助の業務を受けているところですが、夏休み期間はほぼ稼働がなくなります。ご家族が対応できるご家庭は良いのですが、それができないところはデイサービスを利用せざるを得ない。この期間はそのような子どもを受け入れる放課後等デイサービスが通常より開所時間を早めて対応されているとのこと。デイサービスを利用する子どもの数はここしばらくで相当に増えてきているとされています。

そもそも特別支援学級ですが、文部科学省によると直近10年間で支援学級の在籍児童数が2011年度の約15万人から2021年度には約32万人に倍増しているのです。小中学校全体の児童・児童数は減少しているにもかかわらず、です。学級増の要因について、同省をはじめとした関係者の多くは「障がいに対する理解が進み、保護者も支援学級に入れることに抵抗がなくなったからだ」と言われているようですが、果たしてどうなのか。

また、同省は、普通学級で特別支援教育を受ける「発達障がい」の児童・児童数を集計しているのですが、この調査によると、2006年度に約7,000人だった児童・児童数は、2019年度に約70,000人にまで急増したとされています。なんと10倍です。
私自身、この発達障がいという言葉を以前はほとんど見聞きすることはありませんでしたし、小中学校時代もクラスにそんな同級生が居るかもしれないなんてことは一切認識していなかったと思います。2002年に同省がおこなった「通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童に関する全国実態調査」というものが世の中にこの概念が広がるきっかけになったと言われているようです。普通学級にいる児童のうち、一定数に発達障がいの可能性があるとされ、以降、先生たちの子どもを見る目が変わり始めたとも言われています。何かあるとすぐ発達障がいだと思われるようになったということです。

興味深いのは、イタリアではこの支援学級というものが存在せず、全児童が普通学級に通っているとのこと。同国をはじめ多くの他国では日本と逆で、障がいの有無にかかわらず、全ての児童を同じ空間に受け入れるという流れにあるそうです。また、それが可能な要因として、例えば上記のイタリアでは1学級当たりの児童数が20人程度と規模が小さく、先生たちの負担が大きくないからだとされています。子どもたちにとっても他人を思いやる感情といったものを抱く機会が一層増えるのかもしれませんね。
日本では1学級35人~40人というところが多く、またクラブ活動の世話役等も加わり、確かに先生の負担の程度は異なっているのでしょう。私自身もそんな日本の状況を普通に受け入れてきたのですが、子どもたちのことを考えると特別支援学級を増やして分離を進めていくことよりも、少人数の学級を実現していくためにどうすれば先生の数を増やすことができるのか、負担を減らすことができるのかに力を注いでいくことが重要なことかもしれません。政府も人への投資を前面に出していくのであれば、このようなことを解決することは早々に着手すべき重要なテーマの一つかなと思います。

さてさて、夏休みと言えば朝のラジオ体操が1日のスタートであった世代で、近所の友達と顔を合わせることも楽しかったように記憶しています。今はもうやらなくなったのでしょうか、朝に子どもの姿を見ることがありません。コロナ禍であるがゆえに集まってラジオ体操をやるなんてことは余計に大事なようにも思えるのですが。
世の中はコロナ感染に加え、ウクライナ侵攻や中国による台湾周辺での軍事演習など良くないことばかりなんですが、子どもたちにとっては折角の夏休み、存分に楽しんで良い思い出を作ってもらえたらと切に願うばかりです。

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麻生介護サービス株式会社の代表取締役社長 栁 倫明のブログです。

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