新年度を迎えて

新入社員も迎え入れ新たな1年がスタートして早や2週間。本来であれば春の陽気も楽しみながら「今年もしっかりと!」と意気揚々といきたいところ。しかしながら一方では高止まりしているコロナ感染や一層酷くなってきているウクライナ問題、またそれらに起因する物不足やインフレ懸念など日々憂慮しながらの生活を強いられていることも現実です。本当に大変な時代の中にいることを実感せざるを得ませんが、やはりここは踏ん張って明るい将来を見ながら先に進んでいくことが大事だと思います。

当社はこの3月で5ヵ年の中期計画の最終年度を終えました。社員が自律した中で仕事に取り組んでほしいこと、また同時にサービスのレベルアップをしっかりと進めていくことを柱としてきました。それを実現していくための環境整備に向けて社内の制度や仕組みにも様々手を入れてきました。結果、業績は満足できるレベルに達したのではないかと受け止めています。重要な指標として捉えてきたお客様の数も本当に増えてきました。現場を中心に社員が様々取り組んできたくれた成果に他ならないと思っています。
では、これからをどうしていくのか。新年度を迎えての大きなテーマとしては、これからの5年、10年をどう捉えて対応していくのかということになります。

2040年に向けて高齢者の人口は増えていき、更には65歳以上の高齢世帯のうち約40%が1人暮らしになると推測されています。東京の場合はそれが一層顕著で、現在でも30%が独居であり2040年には45%以上になるとも。我々が暮らすここ福岡でも高齢者の人口は増えており同様の傾向になるはずでしょう。一方、多くの方々の看取りの場になっていた病院を取り巻く環境も刻々と変化していることから、全ての方々が病院等で最期を迎えることも難しいとされています。自宅を中心とした住居を最期の場所として選択せざるを得ない。もちろん自宅を希望されている方も多いと思います。
ここで大きく懸念されるのが、高齢者の在宅生活をしっかりとサポートしていくことが維持できるのかという事になります。介護分野、特に在宅サービスでの人材の不足は顕著で今後も厳しい状態が続くと思われます。そうなれば高齢者の生活を支えること自体が成立しなくなるのではないかということが危惧されて仕方ありません。

当社はこれまで「お客様の問題解決のお手伝いをすること」を企業目的としてきました。それは当社が社会に存在する意義であり今後も変わらないものです。将来に向けて考えなければならないのは、上記のような厳しい環境、時代を迎えた時に当社がどうあるべきかを描き、その実現に向けて動いていくことができるかということになるでしょう。
理想としては、若手から中堅の社員が中心となってグイグイと会社や現場をリードしながら、同時にベテランやシニア層が様々な場面で活躍している、規模も含めてそんな活気ある会社に成長している状態です。
実現に向けてはこれからの5年、10年がとても重要な時期になります。思い通りに進まないことのほうが多いかもしれません。特に新卒を中心とした若い社員の採用はそんなに簡単なものではなく、どんどん厳しくなっていくことは重々承知しています。しかしながらこれまでと同じことをやって、厳しい厳しいと言いながら時間だけが過ぎていくことは最悪の結果をもたらすであろうことは明らかです。

高校生の就職活動では、応募できる企業が1社に限定されるという慣行があります。内定を得やすいので安定するという見方もあるようです。しかし一方では入社3年以内の離職者は全体の4割にも上っていることも現実です。この慣行を見直すとした都道府県も2~3にとどまるという調査結果もありました。17~18歳でこれからどんな仕事がしたいのか、明確に定めることができる学生ばかりではないでしょう。受け入れる企業側も限定的ではない、より幅広い仕事ができるような機会を設けていく努力が求められています。

例えば当社の名前を耳にされて「介護会社の仕事=現場でのサービスのみ」ということを思い浮かべる方も多いかもしれませんが決してそうでもない。学歴に関係なく意識を高く持って事業所や事業の責任者として、或いは管理部門や企画開発等の分野で活躍される方も多数おられます。会社に入った後に勉強していけば良いだけのことです。これからも学ぶ機会を設けて育成活動に注力するとともに、多くの社員が一層活躍できるような場面や役割をもっと広げていくことが我々の使命だと思います。

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麻生介護サービス株式会社の代表取締役社長 栁 倫明のブログです。

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